皇居の近く「国立公文書館」へ、平成の書が見られる!

 

「平成」の書といえば、昭和64年(1989年)当時の官房長官・小渕恵三が、新元号発表の際、総理官邸の記者会見で掲げたもの。あるいは、当時の内閣総理大臣・竹下登の孫DAIGOが、自宅に置かれていたその書をTVで披露したことにより覚えている人も多いのではないのだろうか。(後に、国立公文書館へ寄贈)

 

余談だが、2019年4月1日にも平成の時と同様、「令和」の書が発表された。

 

「平成」とは、「昭和」の後の元号であり、「令和」の前である。日本最初の元号である「大化」から247番目にあたる。西暦でいうと、1989年から2019年までになる。

 

平成の書、実物を見たことがある人はほとんどいないはず。もし本物を目にしたいなら、国立公文書館にて2019年5月12日まで可能。(複製は、5月25日から展示)

 

本日の訪問先

国立公文書館

『国立公文書館』

 

展示の一部として「平成の書」があるのは聞いていたが、公式サイトには全く情報が載っていない。本当にあるのだろうかと不安になる。

 

そもそも、「国立公文書館」とはどういった施設だろう。ざっくり説明すると、公文書が保管され、閲覧することのできる場所である。

 

もっと詳しくみると、「国立」という文字があるので、国の機関であることは分かる。そして「公文書」、「公」の文書である。「公」とは、国や役所、あるいは共有のという意味になる。確かに、公園も、みんなのもの。その文書を指すことになる。要するに、国が発行した重要な書類を保管し公開している施設である。(正確には、国だけではない)

 

 

平成の書

国立公文書館

平成31年春の特別展『江戸時代の天皇』が開かれており、「平成の書」は展示資料の一部である。特別展の終了日は、2019年5月12日になっている。

 

館内に入ると、展示室の閲覧順路は、左からになっている。もしどうしても時間がなく、それでも「平成の書」だけは何とか見たいという人は、右に進めば良い。お目当てのものに、すぐ会える!

 

しかし、せっかく国立公文書館に来たのなら、特別展をまわってから、最後に「平成の書」を目にするのが、オススメである。

 

特別展では、江戸時代の朝廷儀式や過去の改元を紹介している。それらを学んだ後に「平成の書」を見る方が、より心にしみ入るはずだから。

 

ただ前もって言っておくが、展示内容は非常に難しい。

 

国立公文書館

江戸時代の朝廷や天皇についての学術的資料が展示されている。そのため、素人には正直とっつきにくいものになっている。

 

国立公文書館

とはいっても、解説自体は読みやすく分かりやすい。

 

時間はかかるが、じっくり説明を読み理解を深め、いざ「平成の書」へ。

 

国立公文書館

「平成の書」

 

「昭和」が終わり、新元号「平成」を発表する際に、掲げられた書である。物凄く状態が良い。まるで最近書かれたもののようだ。

 

繰り返しだが、複製ではなく、原本である。つまり、本物ということ。小渕恵三はじめ、竹下登、DAIGOといった様々な著名人が、これを手にした。そして現在、国立公文書館に収蔵されている。

 

国立公文書館

「平成の書」は、「平成」と「令和」の出典資料と合わせて展示されている。

 

国立公文書館

元号「平成」は。『史記』と『書経』が典拠。展示資料は『史記』のみ。

 

史記

『史記』とは、紀元前1世紀頃に中国の歴史家・司馬遷が書いた歴史書。その中の一節にある「内」(内平かに外成る:内が穏やかで、外も平和という意味)から、「平成」に。

 

もう一方の『書経(しょきょう)』も、中国の歴史書。正確な成立時期は不明だが、紀元前に書かれたもの。書の中の一節「地」(地平かに天成る:地が穏やかで、世も平和という意味)から、「平成」に。

 

こういった経緯より、「平成」とは「平和な世の中に成る」という意味。

 

万葉集

「令和」の典拠である『万葉集』が展示されていたので、参考までにご紹介。『万葉集』は、8世紀に成立した日本の和歌集。「和歌」とは、日本固有の歌で、5・7・5・7・7形式の短歌などを含めた総称でもある。

 

『万葉集』第5巻の「梅花の歌」にある「初春月 氣淑風」(初春の令月、氣淑く風和ぎ:初春のめでたい月、空気はよく、風は和やかという意味)といういう一文から「令和」に。



 

まとめ

国立公文書館

 

「平成の書」原本、この展示を逃してしまうと、本物を見る機会はもうないのではないだろうか。なぜなら、この書は、原本の閲覧請求ができないから。

 

国立公文書館は、貴重な書物であっても、通常閲覧できるようになっている。しかし、「平成の書」原本にはそれがない。

 

それだけ価値あるものを2019年5月12日まで無料で見ることができる。また「平成の書」以外にも、『日本国憲法』『大日本帝国憲法』『終戦の詔書』(いわゆる玉音放送として国民に伝えられたもの)など、国立公文書館でしか目にすることができず滅多にみられない資料も展示されている。

 

「平成の書」をみたいが、展示最終日までに国立公文書館へ行けない。もしそういった方がいれば、朗報です!

 

「平成の書」(原本)の展示は、2019年5月12日まで。そして新たな展示が、2019年5月25日から始まる。なんと「平成の書」(複製)が、そちらでも展示される。複製だが、「平成の書」を見られるのだ!

 

整理すると、2019年5月12日まで原本2019年5月25日から複製。(令和の書レプリカも25日から見られる)

 

というわけで、原本を見たい方は、急いで国立公文書館へ向かう予定を!

 

「平成」の終わり、「令和」の始まりという歴史的な日々。そんな日々に、「平成の書」という記憶の1ページを増やしてみるのもいいかもしない。もしGWの予定が決まっていないなら、ぜひ訪れて欲しい場所である。

 

 

デート向き ★★☆☆☆

子ども向き ★☆☆☆☆

外国人向き ★☆☆☆☆

(5段階評価、★が多い方が向き)

 

 

   

国立公文書館 基本情報

開館時間:原則、9時15分から17時まで

※展示により異なる 

 

休館日:無休(特別展開催期間中)

※展示により異なる 

 

入館料:無料

 

電話番号:03-3214-0621

 

住所:東京都千代田区北の丸公園3-2

地下鉄東西線「竹橋駅」(1b出口)より徒歩5分

 

駐車場:なし

 

併設カフェ:なし

 

併設ショップ:あり

(図録やオリジナルグッズなど取り揃えている)

 

図書コーナー:あり(2階)

 

写真撮影:OK、ただしフラッシュはNG

 

外国語対応:ほとんどなし、キャプションは日本語のみ

 

WiFi:なし

 

サービス:多機能トイレあり(2階)、エレベーターあり、返却式コインロッカーあり、有料(200円)の日本語音声ガイドあり

  

イベント:展示に関する講演会や解説会など、無料で開かれる

 

近隣施設: 科学技術館、東京国立近代美術館、東京国立近代美術館工芸館、皇居

 

公式サイト:http://www.archives.go.jp/

 

地図: