『ファーブル昆虫記』、1度は読んだことがある人も多いだろう。昆虫の生態や、観察方法が具体的に書かれた本。論文のように難しい内容かと思いきや、小説のように親しみやすい。
本の正式タイトルは,、「昆虫記」。しかし、日本では著者ファーブルにちなみ「ファーブル昆虫記」と呼ばれている。
ファーブルは、1823年にフランスで生まれた人物。出版物からも分かる通り、学者であった。また教師でもある。昆虫を行動学的に研究した先駆けである。著書は、世界各地で読まれ、それにともない昆虫学が広まった。
ここ日本でも同様。文京区に、ファーブルに関連した昆虫館が開設されている。
本日の訪問
『ファーブル昆虫館』
ファーブルと昆虫の両方を学ぶことができるようになっている。どちらかといえば、昆虫がメイン。建物自体はあまり大きくなく、1階と地下1階が展示室になっている。
それでは施設のご紹介!
施設 1階
実際の昆虫と触れ合えるコーナーとファーブル関連の資料が展示されている。時期によっては、生きた昆虫を見ることもできる。
昆虫と触れ合えるコーナー
昆虫標本がたくさん置かれている。
実際に観察しながら虫の生態を知れる。もし分からないことがあっても、すぐに質問もできる。(スタッフさんがいる時)
ファーブルに関連する資料
肉筆原稿
机
関連書籍など
施設 地下1階
ファーブルが生まれた家を復元した展示がメイン。その周りが回廊のようになっている。昆虫標本が展示されていたり、学習コーナーがあったりする。質問コーナーは必見!
ファーブルの生家
実際の家は貧しかったので、もっと物が少なかったと考えられている。
ファーブルと同時代。南フランスに住む人の暮らしぶりに近い。
学習スペース
1階だけでなく、地下1階にも設置されている。
質問コーナー
学習スペースの隣に、質問コーナーが置かれている。その中から気になったものを3つピックアップ。
””
虫は虫歯にならないのですか?
虫には人間のような歯がありません。虫歯になるより先に死んでしまうか、成長し吸う口になってしまうので、虫歯の心配はありません。
蜘蛛はなんで足が沢山あるの?
蜘蛛も昆虫も、人間がまだいない時から、色々な種類がいました。虫を分類するときに、足が8本あるのを蜘蛛、6本だったら昆虫ということにしました。「なんで」と理由はなくて、そう決めただけです。
なぜ虫は人間という大きな動物にもくっつくことがあるのですか?(自分より大きい動物の事が恐くない?)
虫は小さいので、人間を動物とは思っていないでしょう。蚊は大きい動物の血が必要です。ヒルもそうです。ノミやシラミも人にたからないと、生きていけません。「こわい」などという感情があったら、生きていけないでしょう。
(ファーブル昆虫館:質問コーナーより引用)””
など全部読んでしまった。そのぐらい知的好奇心をくすぐられる内容になっている。一時話題になった「生協の白石さん」のような質問と回答である。(少し違うか…)
ぜひ本にまとめて出版して欲しい!
虫塚
建物の外には蟲塚が置かれている。死んだ虫の供養が行われる。
参考までに、「虫」と「蟲」は何が違うか。ともに「むし」と読むが、漢字の由来が違うのである。現在では一般的に使われる漢字(当用漢字)として、「むし」は「虫」が使われるようになった。また古来より、「蟲」の略字として「虫」が使われていたという。
さらに詳しいことを知りたい人のために解説。「虫」はマムシなど爬虫類全般をかたどった象形文字。「蟲」生物全般を指す会意文字。象形文字は、ものの形から来た文字。会意文字は、二つ以上の文字を組み合わせ、意味も合わさったもの。
まとめ
ファーブル昆虫館、土日しか開館していない。そして開館時間も短く、駅からも遠いといった難点がある。
しかし、都会ではなかなか触れることのできない昆虫と触れ合える貴重なところである。
確かに、ファーブルのように生きている昆虫を観察したいと思うだろう。だが、標本からでも昆虫の生態は、十分知ることができる。(時期によっては、生きている昆虫がいる)
また昆虫観察会や飼育教室など定期的にイベントも行われているので、昆虫に関する知識の探求もできる。
子供も大人も楽しめ、虫好きの人にとってはたまらない場所。もちろん、子供に自然を教えたい人、昆虫を触れさせたい人にもオススメである。
ファーブル昆虫館 基本情報
開館時間:13時から17時まで
休館日:月曜から金曜まで
※土曜・日曜のみ開館
入館料:無料
電話番号:03-5815-6464
住所:東京都文京区千駄木5-46-6
JR山手線「西日暮里駅」「田端駅」より徒歩12分
千代田線「千駄木駅」(1番出口)より徒歩12分
南北線「本駒込駅」(2番出口)より徒歩10分
駐車場:なし
併設カフェ:なし
併設ショップ:あり
図書コーナー:あり
イベント:昆虫観察、昆虫採集、標本教室など開かれる
公式サイト:
http://www.fabre.jp/index.html
地図: