伊藤忠といえば、誰もが知っている大手総合商社。伊藤忠に限らず、企業の公式サイトには、CSRやCSR活動という項目をみかける。
CSRとは、Corporate Social Responsibilityの略語。日本語に直すと、「企業の社会的責任」という意味になる。
CSR活動として、どんな取り組みを企業は行っているのか。例えば、トヨタの交通安全教育、JTの森林保全活動、サントリーの水と森を育む活動などである。ここにあげたものは一例であり、環境・教育・人権・文化など領域は多岐にわたる。範囲も、日本だけでなく、世界に広がっている。
このように大小さまざまな企業が行っている社会貢献活動。その一環として、伊藤忠商事株式会社のギャラリーが、青山にある。
本日の訪問先
『伊藤忠アートスクエア』
企画展によって開催期間がまちまちのため、行く際はHPを確認するのが良い。期間の長いものでは2か月程、短いものでは数日間。その代わり、会期中は無休。
テクニカル北斎展
今回は、『テクニカル北斎展』が開催。(2019年2月16日終了)
浮世絵制作の伝統技術を引き継ぐ版元、「アダチ版画研究所」の技法に焦点を当てた企画展。
葛飾北斎『凱風快晴』摺りの工程
通称『赤富士』と呼ばれる。なんと7回も摺ることによって、これだけカラフルな作品に仕上がる。
どのように7回も摺るのだろうかと思い、展示を見ると、順番に解説が書かれていた。
““
1:アウトラインの部分(主版)を藍色で摺る
2:山肌の赤色の部分を摺る
3:山頂の褐色の部分を摺る
4:山裾の緑色の部分を摺る
5;山際の薄い青のグラデーションを摺る
6:空の明るい藍色を摺る
7:空の濃い藍色のグラデーションを摺って完成
(テクニカル北斎展:展示解説より引用)
””
馬連(バレン)
木版画を摺るための道具。作品の出来栄えに大きく影響する、まさに商売道具。摺師は、自分専用の馬連を自作するとのこと。
馬連は、当皮・バレン芯・外側の竹皮と3つのパーツに分かれている。当皮は、和紙を48枚はり重ねて漆を塗る。(重ねる和紙の枚数は、職人によって違う)バレン芯は、竹皮を縄のようにひねり制作。そして組み合わせ、竹皮で包む。
葛飾北斎の作品
『凱風快晴』以外にも、厳選された作品がならぶ。
怪談シリーズ『お岩さん』など誰しも1度は目にしたことのある作品。それらがアダチ版画研究所の技術により、綺麗な色合いで現代に復刻。
インスパイア北斎
葛飾北斎からインスパイアされた作品群
館内の様子
落ち着ける雰囲気になっており、椅子も多いので、ゆったりと鑑賞できる。
シアター
木版画の作り方や道具の解説が写されていた。映像の外側の形が台形になっている。TVで放送されている伊藤忠CMを、見たことがある人なら、わかるかもしれない。あくまでも推測だが、会社ロゴの形からではないだろうか。
カフェスペース
コーヒー 1杯300円
伊藤忠が輸入している、フェアトレードコーヒー豆を使用したドリンクが、提供されている。
まとめ
ここ伊藤忠青山アートギャラリーでは、今回の企画以外にも、様々な展示が開かれている。
テクニカル北斎展が終わると、ダウン症という障害を抱えながら書道家として活躍する『金澤翔子書展』。
社会貢献活動(CSR)の一環のため、日本の伝統文化の保護や障害者支援といった面もある。
しかし、 それらも芸術であることに変わりなく、人々を魅了することも変わりない。
このように、企業のCSR活動ではあるが、肩ひじ張らずに楽しめるところ。
近くには明治神宮外苑もあるので、散歩がてらに寄りたくなる場所である。
伊藤忠青山アートスクエア
開館時間:11時から19時まで
※展示により異なる
休館日:会期中無休
入館料:無料
※展示により異なる
電話番号: 03-5772-2913
住所:東京都港区北青山2-3-1 Itochu Garden B1F
銀座線「外苑前駅」(4a出口)より徒歩2分
半蔵門線「青山一丁目駅」(1番出口)より徒歩5分
併設カフェ:あり
併設ショップ:なし
外国語対応:開催される展示による
WiFi:あり
サービス:階段はあるが、車イス用昇降機あり
公式サイト:http://www.itochu-artsquare.jp/
地図: