ROICとは、投下資本利益率のこと
ROIC、読み方はアールオーアイシーまたはロイックです。
英語で書くとReturn On Invested Capital
その頭文字がROICです。
ROAは、総資産利益率
ROEは、自己資本利益率
ROICは、投下資本利益率
と違いがあります。
求め方は、ROIC(%)=税引き後営業利益÷投下資本×100
税引き後営業利益=営業利益ーみなし税金
=営業利益(1-実効税率)
実効税率とは、企業が利益額に応じて負担する税率
投下資本=有利子負債+株主資本
(例)
営業利益:10億円
実効税率:30%
投下資本:100億円
ROIC=税引き後営業利益÷投下資本×100
=10億円×(1-0,3)÷100億円×100
=7
ROICは、7%となります。
ROICから何が分かるか?
・事業活動のために投じた資本(投下資本)を使ってどのぐらい本業で利益をあげたのか分かります
投下資本は、有利子負債と株主資本を足したものです。
それに無利子負債が合わさると総資産になります。
無利子負債は、利息支払いのない負債です。たとえば、支払い手形や買掛金などです。それらは事業を行っている最中に発生する負債です。一方、有利子負債は銀行からの借入金などです。
なぜ無利子負債を入れないかというと、純粋に事業活動のために投じた資本で企業を評価するためです。
なのでROICは、有利子負債と株主資本を合わせた投下資本を分母にしています。
そして本業だけの儲けである税引き後営業利益を分子にしてるのです。
ROICの注意点
・ROICが高いからといって必ずしも収益性が低いわけではない
なぜなら分子の税引き後営業利益が大きい数値であれば、ROICは高くなるからです。
税引き後営業利益が大きいほうが、収益性高いのではと思ってしまいます。しかし、実効税率が低ければ、税引き後営業利益の数値が高くなります。例えば前年が赤字で繰越欠損金があれば、課税所得と相殺され実効税率は低くなります。
このような場合もあるので前年の財務状況もあわせて確認してください。
ROICのまとめ
・ROICは、投下資本を使ってどのぐらい本業で利益を出したか表している
・計算式は、ROIC(%)=税引き後営業利益÷投下資本×100
・ROICの目安は、7%以上
・ROICが高いからといって、必ずしも収益性が高いわけではない
→前年の財務状況もあわせて確認