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8ra8ra3のJOURNEY

台東区「子規庵」へ、夏にはヘチマが見られる正岡子規の家

 

正岡子規、「柿くえば鐘が鳴るなり法隆寺」の俳句で著名な俳人。「子規」は号(ごう:本名とは別の名前)であり、本名は「常規(つねのり)」である。

 

「子規」は、「ホトトギス」の漢字表記のひとつ。

 

ホトトギスは、戦国時代の武将の性格を表した「鳴かぬなら鳴かしてみようホトトギス」という句にも出てくる鳥。また、中国の故事(こじ:中国の古いお話)では、血を吐くまで鳴く鳥といわれている。そして、口の中が赤いのは血を吐いたためだと考えられていた。

 

正岡子規は、喀血(かっけつ:咳にともなう気道からの出血)した自分を、「ホトトギス」になぞらえた。そのため、「子規」を号にしたのである。

 

その子規が過ごした自宅の庭には、咳(せき)や痰(たん)に効くといわれるヘチマが植えられた。現在、自宅は「子規庵」という施設になっている。もちろん夏になると、ヘチマを見ることができる。

 

本日の訪問先

子規庵

『子規庵』

 

1894年に正岡子規が、家族と共に移り住み、亡くなるまで過ごした家。

 

住んでいただけでなく、文芸活動の拠点でもあり、子規と交流があった文人が数多く訪れ、句会・歌会・輪講会など開かれた。

 

現存する建物は、 1952年に再建されたもの。関東大震災や空襲によって、建物は損害を受けたため。

 

 

子規庵内

子規庵

初めに、5分ほどの子規庵紹介映像を視聴。

 

左奥にかけられている掛け軸は、法隆寺にある石碑から写し取ったもの。前述した正岡子規の代表的な句「柿くえば鐘が鳴るなり法隆寺」である。

 

子規庵

子規終焉(しゅうえん)の間であり、体調が良い時には創作活動を行った部屋である。

 

右側にある机は、子規のために特別作らせたもの。子規は、左足が曲がったまま伸びなくなっていた。そのため、机の立膝を入れる部分は、切り抜かれた。

 

子規庵

縁側の奥に、トイレも完備されている。

 

年季の入った扉のため、中は一体どうなっているのか?! と誰しも疑問を抱くだろう。

 

おそるおそる、慎重にドアを開けてみる。

 

子規庵

キレイ! リノベーションされたトイレで、ひと安心。

  

子規庵

しかし、トイレ内側の閂(かんぬき:現代でいうと鍵)は、昭和? 大正? スタイル

 

 

子規庵の庭

子規庵

室内から見る庭の眺め良し! 「子規庵」最大の見所ともいえる。

 

子規庵

夏になると、糸瓜(ヘチマ)棚にへチマがぶら下がる。

 

正岡子規も、「病床から同じ景色を眺めていたのか」と想像すると感慨深いものがこみ上げてくる。

 

その気持ちのまま、句を詠みたくなる人も多いのではないだろうか。

 

子規庵

そういった人のために、庭には、俳句や短歌の投稿箱が置かれている。月ごとに、優秀な作品は、掲示板に貼りだされる。

 

季節によって咲く花は変わり、訪れるたびに眺めが違う。子規が愛した庭は、それだけ美しい。

 

 

 

まとめ

子規庵

 

訪れて思ったのだが、「子規庵」は、正岡子規について詳しく知るところではない。子規の家全体が展示になっていることからも分かるように、晩年の暮らしぶりを知ることができる場所。

 

子規の随筆『小園の記』にも書いてあるとおり、身体を自由に動かせなくなってからは、庭が彼にとって全てであった。そのため、庭の景色から着想を得た句が数多く残っている。

 

実際、庭のヘチマについて詠んだ句も残っている。

「をとゝひの へちまの水も 取らざりき」

「糸瓜咲て 痰のつまりし 仏かな」

「痰一斗 糸瓜の水も 間に合わず」

 

死の数時間前に詠まれたこの3句は、全てヘチマの句であった。そのため、絶筆(ぜっぴつ:最後の作品)3句ともいわれる。

 

それらは、子規庵の庭に置かれた「正岡子規絶筆三句碑」の銅板に刻まれている。碑の上部に取り付けられた銅板は、実際に子規が書いた紙を再現したもの。

 

このように子規とヘチマは、大変関係が深い。そのため、子規の忌日(きにち:亡くなった日)である9月19日は、糸瓜忌(へちまき)とも呼ばれている。

 

子規の晩年に思いをはせ、彼が詠んだ句と庭の草花を一緒に眺める。そうすると、句が一段と味わい深いものになる。

 

ただ、入庵料は少々高く感じる。施設を維持するため、お金がかかるのはよく分かるが。とくに子規が愛した庭を維持するのは、大変だろう。毎年、ヘチマの植え替えも行っているという。そういったことを踏まえると、入庵料の500円はしかたがないともいえる。

 

ヘチマ、正岡子規の最後の句でも詠まれた植物。その時の子規と同じ景色を見たいなら、訪れるのは夏が良い。子規庵の糸瓜棚に、立派なヘチマがなるので。

 

 

デート向き ★★☆☆☆

子ども向き ★★☆☆☆

外国人向き ★☆☆☆☆

(5段階評価、★が多い方が向き)

 

 

 

子規庵 基本情報

開館時間:

10時30分から12時まで(11時40分まで受付)

13時から16時まで(15時40まで受付)

 

休館日:月曜(祝日の場合、翌日)、夏季冬季休暇

 

入館料:大人500円

 

電話番号: 03-3876-8218

 

住所:東京都台東区根岸2-5-11

JR山手線「鶯谷駅」より徒歩4分

 

併設カフェ:なし

 

併設ショップ:図録だけでなく、正岡子規グッズ多数あり

 

図書コーナー:あり、小屋の中に俳句コーナーや関連書籍を揃える

 

WiFi:なし

 

サービス:階段や段差あり、障害者対応なし

 

外国語対応:なし

 

公式サイト:http://www.shikian.or.jp/

 

地図: