文京区の「東京都水道歴史館」へ、水道の歴史を知る!

 

日本に住んでいると、蛇口をひねれば安全で綺麗な水が出てくる。当たり前のように感じる。しかし、世界をみると当たり前ではない。

 

水道が飲める国は、たった10ヶ国しかない。アイスランド、アイルランド、ノルウェー、フィンランド、デンマーク、ドイツ、南アフリカ、オーストリア、スロベニア、日本の10ヶ国。(これ以外の国でも、全土ではなく都市によっては飲める場所はある)

 

ほとんどの人にとって、物心ついた時には自然にあった水道水。先人たちのおかげということは分かる。では、いったいどのような歴史があったのか。知ることのできるミュージアムが文京区に開設されている。

 

水道繋がりか、『 水道橋駅』が最寄り駅。

 

本日の訪問先 

東京都水道歴史館

『東京都水道歴史館』

 

名称の通り、東京における水道の歴史がまるわかり。3階まであり、展示は1階と2階になっている。(順路は2階から)3階は、水道関連の書籍が置かれたライブラリーとイベントが開かれるレクチャーホールになっている。

 

その中でも気になったものを今回はご紹介!

 

歴史館 2階

東京都水道歴史館

明治より前の水道について、解説されている。徳川家康が関東を領有することになり、東京における水道の歴史が始まった。そして江戸の発展とともに、上水が整備された。

 

参考までに、上水が整備された順番は下記の通り。

 

「小石川上水」(詳細は不明だが、神田上水の一部ではないかと言われている)

→赤坂の溜池を水源とする「溜池上水」

→井ノ頭池を源とする「神田上水」

→多摩川を源とする「玉川上水」

→「亀有(本所)上水」

→「青山上水」

→「三田上水」

→「千川上水」

 

後に、亀有・青山・三田・千川上水は廃止される。神田・玉川上水が基盤となる。

 

木樋(もくひ)

東京都水道歴史館

江戸時代の水道管は、現代のような金属製ではなく、木製である。

 

木樋と呼ばれ、木製の樋(とい)の上に木蓋がされている。そして木樋の結合部には、組み合わせる木樋が分かるように、刻印が施されている。

 

木樋の結合部にある刻印

東京都水道歴史館

分かりやすいようこのような模様が彫られている。

 

水道橋の由来模型

東京都水道歴史館

神田上水からの水を給水する水道専用の橋。水を流すための「縣樋(かけひ)」がかけられた。そのことから「水道橋」という地名になったといわれている。

 

 

江戸時代の暮らしぶり

東京都水道歴史館

江戸時代の長屋が復元されている。庶民の暮らしや、どのように水を使っていたか知ることができる。

 

以上が、2階。階段を降り、1階へ。

 

歴史館 1階

1階は、明治以降の水道について。

 

明治19年(1886年)、東京でコレラが猛威をふるう。死者が1万人近く発生し、水源でコレラ汚染騒ぎも起きたため、近代水道の整備が急務となった。明治21年(1888年)に計画は始まり、玉川上水を活用して水を綺麗に浄化したのち市内へ給水するようになった。そして給水地域は拡大し、明治44年(1911年)に完成。人口の拡大によって、江戸時代同様、さらに水が必要となる。それに伴い、相模川の拡張事業や利根川を水源とする拡張事業が行われた。結果、現在東京の水道水源は8割方利根川水系である。

 

 

馬水槽

東京都水道歴史館

牛馬用(前面上部)・犬猫用前面下部)・人間用裏側)と3つの水飲み場が設けられた水道栓。歴史館にあるのは複製で、実物は新宿駅東口広場に置かれている。

 

水圧計・濾過層模型・消火栓・共用栓

東京都水道歴史館

一番右に展示されている「共用栓」は、「蛇口」の語源とも言われている。 水の出口が龍の形になっていたことより、蛇体鉄柱式共用栓と呼ばれた。それによって蛇口と呼ばれるようになった。(龍は、蛇がもとになっている)

 

日本最大の鋳鉄製水道管

東京都水道歴史館

口径2900㎜(2.9m)

 

東京都水道歴史館

羽村取水堰(玉川上水の水源)から、村山・山口貯水池までの導水管に実際使われている。

 

水道管の異常がないか確認する道具

東京都水道歴史館

 右手前にはボタンがあり押すと、水道管の異音がどのような音か知ることができる。

 

 

 まとめ

東京都水道歴史館

江戸から現代までどのようにして、安全な水が人々に届くようになったのか、一連の流れが分かるように解説されている。さらに詳しいことを知りたい人は、無料のオーディオガイドもある。(日本語・英語・中国語・韓国語に対応)

 

東京都水道歴史館

水道の歴史は古く、紀元前4世紀頃には既にローマで上水道が整備されていたという。それだけ古くから水は生きる人々にとって大切なものであった。しかし、前述の通り、世界で水道が飲める国はたった10ヶ国しかない。

 

大切なものだが安全に提供することは難しい水道水。それを東京だけでなく日本各地で安全に飲むことができる。そこに至るまでの先人たちの努力に感謝し、次の世代へつなげていかなれればならない。

 

だから、水道代はしっかり払う。節水する。水をできるだけ汚さないように努める。といった身近なことで構わないので、コツコツ行っていくことが重要である。けれど、夏場など水の摂取は怠らず給水は大切!

 

 

 

東京都水道歴史館 基本情報

開館時間:9時30分から17時まで

 

休館日:年末年始、毎月第4月曜

(月曜が休日の場合、翌日休館)

 

入館料:無料

 

電話番号:03-5802-9040

 

住所:東京都文京区本郷2-7-1

各線「水道橋駅」「御茶ノ水駅」より徒歩8分

 

駐車場:なし

 

併設カフェ:なし

 

併設ショップ:あり、受付で図録など販売(商品は少ない)

 

図書コーナー:あり(3階)

 

外国語対応:無料の音声ガイドあり(英語、中国語、韓国語)

 

サービス:コインロッカー(無料)、エレベーター、多機能トイレ(1階)、音声ガイド

 

イベント:水道に関する講座や、子供向けイベントが開かれる

 

公式サイト:

http://www.suidorekishi.jp/index.html


近隣施設:日本サッカーミュージアム、折り紙会館

 

地図: