北区の「田端文士村記念館」へ、田端の王様を知る!

 

芥川龍之介、名前を聞いたことがない人はいないのでは。小説家として、『羅生門』『蜘蛛の糸』など数々の作品を残した人物。

 

しかし、芥川が、35歳という若さで自殺したこと以外、私生活を知らない人は多いのではないだろうか。

 

芥川は、1892年に東京都で生まれ、晩年田端に住んでいた。多くの文化人は、芥川が住む田端へ移住.。そういったことから、後年「田端の王様」と呼ばれることもあったという。

 

本日の訪問先

田端文士村記念館

『田端文士村記念館』

 

館内には、田端に住んでいた文化人の、作品や資料が展示されている。

 

田端文士村記念館

 

『田端文士村記念館』、あまり聞きなれない言葉かと。名称を分けて考えると、「田端文士村」の「記念館」ということ。

 

「田端文士村」とは何だ?! 「田端文士村」という名前の村が、この辺りに昔はあったのかと疑問が浮かぶはず。

 

実際には「田端文士村」という村は存在せず、田端に、文士が多かったため、後の世に名付けられた。

 

記念館自体は、「田端文士村」になっているが、館内に置いている資料を見ると「田端文士芸術家村」になっている。

 

田端文士芸術家村とは?

田端文士村記念館

 

田端文士芸術家村は、田端で活躍した文士・芸術家を称えた名称。

 

古くは農村であった田端、上野に東京美術学校(現・東京藝術大学)が、1887年(明治20年)に開校されると、芸術家たちが暮らすようになり、芸術家村になった。

 

そして大正時代に入ると、1928年(大正3年)芥川龍之介が転居。他にも詩人・小説家が移り住むようになり、文士村となった。

 

このような経緯から、「田端文士芸術家村」と後にいわれるようになったのである。

 

しかし、空襲による戦災のため、当時の面影を知ることができる場所は少ない。

 

結局、館内の、「田端文士村」と「田端文士芸術家村」の名称が統一されていない理由は分からなかった・・・。

 

 

展示について

常設展示は、「田端の王様」である芥川龍之介がメイン。晩年住んでいた「田端の家」模型が展示の中心に据えられ、芥川の日常の様子が分かるようになっている。

 

他にも、 企画展示が定期的に開催されている。 今回は『昭和の田端 喪失と復興』というテーマで、昭和期の田端にスポットをあてている。(2019年2月17日まで)

 

 

田端の王様・芥川龍之介

芥川が、王様といわれる所以(ゆえん)は、田端文士村発展の中心人物だったからだ。

 

多くの文士が住んでいた田端だが、その先駆けが、芥川龍之介。芥川が田端に住むようになってから、その人柄に多くの人が惹き付けられ、文士が集まるようになったという。

 

そういった歴史により、「田端の王様」と称される。

(ただ北区以外では、あまり聞きなれないような気が・・・)

 

 

<番外編>のらくろ

田端文士村記念館

館内で、唯一撮影可能だった。なぜ『のらくろ』かといえば、作者の田河水泡も、昭和時代の田端住民であったから。(企画展の一部) 

 

 

 

まとめ

このように田端文士村記念館では、あまり聞いたことのない芥川龍之介の私生活について知ることができる!

 

私の印象では、常に悶々と悩んでいるような、どこか卑屈なイメージが少なからずあったが、実際は、コミュニティの中心にいるような、明るい側面も持っていた人だったようだ。

 

館内には、「田端文士芸術家村しおり」という無料の冊子がある。そこには、芥川龍之介はじめ、文化人ゆかりの地が地図に書かれている。

 

芥川龍之介の人となりを知り、芥川ゆかりの地だけでなく、縁のあった人達の足跡をたどると、王様について王様らしさが一段と分かるようになるかもしれない。

 

 

 

 

田端文志村記念館 基本情報

開館時間:10時から17時まで

 

休館日:年末年始、祝日の翌日、月曜(祝日の場合、火曜と水曜)

 

入館料:無料

 

電話番号: 03-5685-5171

 

住所: 東京都北区田端6-1-2

JR各線「田端駅」(北口)より徒歩2分

 

駐車場:なし

※隣接施設に、有料駐車場あり

 

併設カフェ:なし

 

併設ショップ:わずかだが、オリジナルグッズ販売あり

 

サービス:多機能トイレあり(1階)、エレベータあり

 

写真撮影:原則NG

(企画展によって、一部撮影可能)

 

イベント:企画展に関する朗読会、散策会、講演会が開催。また、毎月(1・2・7・8月を除く)第3日曜日の13時より田端文化人のゆかりの地を歩く「田端ひととき散歩」など開催(公式サイトのイベントに詳細あり)

 

公式サイト:https://kitabunka.or.jp/tabata/

 

地図: