関東圏以外の方には、東京家政大学と聞いて女子大学ぐらいのイメージかもしれない。
はじまりは、1881年に渡邉辰五郎が湯島に開設した私塾「和洋裁縫伝習所」である。裁縫の知識や技術を主に教え、教養を高め自立した女性の育成を目的に設立された。
そして、大学構内にミュージアムがある。もとは、生活資料館という名前で、ご想像の通り、裁縫関連の収蔵品を見ることができる。
本日の訪問先
『東京家政大学博物館』
東京家政大学の歴史、国の重要有形民俗文化財に指定されている渡辺学園裁縫雛形コレクションなどが展示されている。
4階と5階が展示室になっており、4階は常設展、5階は企画展。
常設展の中にも、コレクション展示というコーナーがあり、半年ことにテーマが変わる。
企画展は、裁縫に関連するテーマで春と秋に開催される。期間は、共に1ヶ月程と短い。
展示について
4階に上がると、展示室が二つある。常設展の中でも、コレクション展示は別室に分かれている。
展示室内の撮影は禁止だが、ご希望の方は5階の事務室へと表記されていたので、手続きを行えば可能になるのかもしれない。
展示内容は、裁縫の指導から始まっている学校のため、雛形の展示がメインかと思いきや。
意外にも、和洋裁縫伝習所の歩みや、大学開学当初の学長・青木誠四郎の業績など校史がしっかりと展示解説。
お待ちかねの裁縫雛形コーナーは、約4500点の雛形を収蔵している中で展示数は80点程とあまり多くない。
ところで、裁縫雛形とは、明治から昭和まで、東京家政大学の前身に通っていた学生が裁縫の練習用に作った衣服や生活用品のミニチュア。(実寸の3分の1程の大きさ)イメージは、TDSの人形用着せ替え服みたいなのを想像すると、分かりやすい。そして、なんと384種類もある。
なぜミニチュアサイズで作るのか。それは、材料と時間の節約になるから。
小さいからといって作業工程が少なくなるわけではない。全体像を通常のサイズより短い期間で学べ、限られた時間の中でより多くの種類を学習できる。だけでなく、通常より小さいものを作るので細かい作業が多くなり、より手先が器用になる。
良いことづくめである!
しかし、現在では授業の中に雛形制作が組み込まれていない。(縮尺2分の1ぐらいで服を作ることはある)
まとめ
今回訪れた時には、5階の企画展は開催されていなかった。
4階の常設展だけだったが、もっと裁縫雛形を見たかったのが本音である。
国の重要有形民俗文化財に指定されるほど、貴重な物が数千点ある中で、約80点しか展示されていないのは少ない!
もっと見たい!!!
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物足りなさを胸に博物館を後にした…。
もし裁縫雛形に興味を抱いた方は、ぜひ博物館へ訪れ実物を見てください!
実際に手作業で作られたミニチュアは、まるで芸術作品のように素晴らしい。
常設展だけでは、私同様満たされないかもしれないので、企画展が開催されている時に訪れるのがよいかもしれない。
東京家政大学博物館
開館時間:9時30分から17時まで
(土曜日は、9時30分から12時まで)
休館日:日曜、祝日、夏休み、年末年始
入館料:無料
(来館の際は、守衛室で入館証を受け取る)
電話番号:03-3961-2918
住所:東京都板橋区加賀1-18-1
(百周年記念館4・5階)
JR埼京線「十条駅」より徒歩5分
都営三田線「新板橋駅」より徒歩12分
駐車場:なし
(障害のある方が車で来館する際は、事前に博物館まで要相談)
併設カフェ:なし
併設ショップ:なし
WiFi:なし
サービス:エレベーターあり、多機能用トイレあり(4階)
公式サイト:https://www.tokyo-kasei.ac.jp/academics/museum/index.html
地図: