渋谷駅の忠犬ハチ公像。以前訪れた『渋谷区郷土博物館・文学館』では、生前のハチについて学んだ。〈その時の話は、こちら〉
ハチは、1935年に死んでいるのを発見された後どうなったのか。その答えを知っている人は少ないだろう。
当時とても人気があったため、人間のように告別式が渋谷で行われた。そして、東京大学で解剖された。
本日の訪問先
『東京大学農学資料館』
ハチの死因が、臓器とともに展示解説されている。
ハチ関連だけでなく、農学生命科学研究所所蔵の資料を展示。館内は、こじんまりした印象である。大きなコンビニぐらいの広さ。
ハチの死因
ハチは、1935年に渋谷駅近くで死んでいるのを発見された。
発見されて間もなく、東京帝国大学農学部において、病理解剖が行われた。解剖の結果、ハチの心臓には大量のフィラリアが寄生。それにより、フィラリア症が死因とされた。
解剖後、ハチの体は剥製にされ、内臓はホルマリンに漬けて保存された。剥製は、上野の国立科学博物館で展示されている。
しかし、死後76年目にあたる2011年。精密検査の結果、肺と心臓の癌が発見される。それゆえ、癌もハチの死因であったと発表された。
忠犬ハチ公像
ハチの死後、渋谷に像が建立されたと思われがちだが、実は在命中に制作されたもの。そして、完成した翌年にハチは死んだ。
今日では渋谷以外にも、日本各地に設置されている。
以下、像の所在地と由縁
1:秋田県大館市
→ハチは秋田犬
2:山形県鶴岡市
→鶴岡市出身の斎藤弘吉が新聞社に寄稿したことでハチが全国に広く知れ渡る
3:福島県飯舘村
→地震の影響で出て行った村民帰還の願い
4:三重県津市
→飼い主上野博士の出身地
5:東京都渋谷駅
→ハチが上野博士を待ち続けた駅
6:東京大学農学部
→上野博士は、東京帝国大学教授
上野英三郎博士とハチ公像
「上野英三郎博士」、前述したようにハチの飼い主であり、ハチが渋谷駅で待ち続けた人物。そして東京帝国大学教授でもあったので、キャンパス内に銅像が設置されている。
非売品・忠犬ハチ公シール
東京大学農学部正門横、守衛受付にシールが置かれている。農学部の先生が、ボランティアで製作し、無料で配布しているとのこと。
毎月絵柄が変わるので、全て集めたくなるシールだ!
まとめ
これまで述べてきたように、忠犬ハチ公は死後、東京帝国大学で解剖された。そして臓器はホルマリン漬けに、体は剥製にされた。人間さながらの葬儀も行われ、多くの人がハチの死を嘆いた。
遺骨は、青山霊園にある。ご主人・上野のすぐ隣に寄り添うように埋葬されている。
国内だけでなく、外国にまで名が広まっているハチ。資料館を訪れたときも、東大のハチ公像に白人系のカップルが見学していた。それに、ハリウッド映画の題材にもなったことがある。
忠犬の象徴としてハチは、今なお人々の心に生き続けている。
東京大学農学資料館 基本情報
開館時間:9時から17時まで
休館日:大学休みに準ずる
入館料:無料
電話番号:03-5841-5005
住所:東京都文京区弥生1-1-1
東京大学農学部正門入ってすぐ
メトロ南北線「東大前駅」(1番出口)より徒歩2分
駐車場:なし
公式サイト:
https://www.a.u-tokyo.ac.jp/shiryoukan/
地図: