豊島区「豊島ふくろう・みみずく資料館」へ、福を招く!

 

「ふくろう」、漢字で書くと「梟」。『ハリーポッター』でも登場したことのある鳥。ハトやカラスと違い、日常的に見かけることは少ない。

 

けれど、昔から福を呼ぶ鳥として親しまれていた。当て字になるが、「福老」や「不苦労」と表すことができるため。

 

そして「池袋」、ひらがなにすると「いけぶくろ」。いけぶくろ→いけふくろ→いけふくろう→ふくろう、といった具合になる。こういったことから、池袋駅周辺では、ふくろうをモチーフにした交番や像など数多く見かける。

 

だからといって、「ふくろう」について詳しいことを知っている人は少ないだろう。池袋のある豊島区に、「ふくろう」について解説された資料館が開かれている。

 

本日の訪問先

豊島ふくろう・みみずく資料館

池袋駅から徒歩8分ほど。豊島区立南池袋小学校の校内にある。

 

豊島ふくろう・みみずく資料館

『豊島ふくろう・みみずく資料館』

 

東大名誉教授・飯野徹雄、拓殖大学教授・松浦千誉、英国伯爵夫人・斉藤みね子、福井章二郎から寄贈された膨大なふくろうコレクション。その中から200から300点ずつ、順次展示公開している。

 

 

資料館内

豊島ふくろう・みみずく資料館

展示スペースはあまり広くない。(小さなコンビニぐらいの広さ)

 

豊島ふくろう・みみずく資料館

それゆえ、解説を読まなければ、すぐに終わってしまうだろう。面白い内容になっているので、ぜひしっかり読んで欲しい。

 

 

 展示内容について

ふくろうの「生活」「イメージ」「かたち」という、 3つのテーマで構成されている。

 

まず、ふくろうの「生活(生態)」について


どのような生き物か。

「顔」:首の骨のつなぎが柔らかく、270度回転することができる

「耳」:獲物の位置を正確に知るため、左右の高さが異なる

「眼」:暗闇でも、わずかな光をとらえることができる

「くちばし」: 小さめで、下向きに曲がっている

「足指」:前後に2本ずつ分かれ、爪が鋭く、握力も強い

「翼」:獲物に気づかれずに、静かに飛ぶことができる

 

そして捕らえた獲物は、丸のみにする。胃にたまった消化できないものは、丸めて吐き出す。(吐き出した塊を、ペレットという)

 
ふくろうの祖先は、今から数千万年前に現れたとされる。その後、140種以上に分かれた。南極をのぞく、地球上すべてに広がっている。

 

資料館の名称からも気になった人がいるだろう。「みみずく」と「ふくろう」の違いはどこにあるのか。


頭に角のように突き出た羽(羽角)をもっているかどうかの違いである。持っているものが、日本では「みみずく」と呼ばれている。しかし、シマフクロウのように大きな羽角をもっていても、「ふくろう」と名づけられている種類もある。

 

そして、グループ全体を表すときは、ひらがなで「ふくろう」と書く。特定の種を表すときには、「フクロウ」と書き分ける。

 
人類が農耕生活をしていた時代には、ふくろうは農作物を荒らす虫やネズミなどを捕らえる益鳥として大切にされてきた。しかし、都市型生活が主流になるにつれ、生活圏が減った。ふくろうは食物連鎖の頂点に位置するため、自然界の調和がくずれると生活できなくなる。それにより、日本のふくろうは、生息数を激減させた。とくにシマフクロウは、保護のため国の天然記念物、後に希少野生動植物種に指定される。

 

 

次に、ふくろうの「イメージ」について


ふくろうには、「知恵の象徴」「闇の見張り番」「福を招く鳥」などのイメージがある。いったい何故このようなイメージが定着したのか。一つ一つ見てみよう。

 

「知恵の象徴」というイメージは、知恵の神の使いからきている。古代ギリシヤの都市国家アテナイでは、農業の守り神として女神アテネをまつり、当地にすむコキンメフクロウをその使いとみなした。やがてギリシヤ文明の中心地として発展すると、女神アテネは農業神から学芸の神へと変わる。コキンメフクロウも、学芸や知恵の象徴へとなった。ヨーロッパがルネサンス期(14世紀)に入ると、古代ギリシヤ文明の再評価がおこる。そして学芸・知恵の象徴というイメージが、世界中へ広がる。日本へは、明治の文明開化期に伝えられたという。

 

 「闇の見張り番」、ふくろうは鋭い特性と夜行性であることから、夜や闇のイメージと結び付けられたという。死の予告者、魔女や魔法使いの使い、忍者のシンボルとしてさまざまな国の話にも登場する。

 

「福を招く鳥」、前述の通り、ふくろうは縁起の良い当て字にできるため。福朗、福籠、富久郎、不苦労といった当て字。そこから福を招く鳥のイメージが生まれた。ふくろうを「めでたい鳥」とみなすのは、日本独自の発想である。だが、歴史は古い。8世紀に完成された『日本書紀』の時代から、すでにそういった記録がある。

 

 

最後に、ふくろうの「かたち」について

 

これまで述べてきたように、ふくろうは世界中で愛されており、置物や玩具に表される。それらは、木・陶器・石・金属など様々な素材で作られている。世界各地のふくろうグッズが紹介されており、日本との違いを楽しめるようになっている。

 

 

以上、学んだ知識をまとめたものになる。館内の解説は、もっと詳しい。その説明と展示資料を合わせて見学すれば、より一層理解が深まる!

 

 

 

 

まとめ

豊島ふくろう・みみずく資料館

「いけぶくろ」がある豊島区。 まるで、ふくろうが羽をひろげたような形になっている。その豊島区に、「ふくろう・みみずく資料館」がある。

 

繰り返しになるが、説明を読まなければすぐに見終わってしまう。だから、しっかり説明を読む。そうすると、ふくろう博士になれる!

 

タイミングが良ければ、説明員の人が居るため、何か気になることがあればすぐに質問もできる。

 

見学後、動物園やふくろうカフェなど、「ふくろう」が見られるところへ行けば、面白いこと間違いなし!

 

そして、福が来るだろう。

 

 

デート向き ★★☆☆☆

こども向き ★★☆☆☆

外国人向き ★☆☆☆☆

(5段階評価、★が多い方が向き)

 

 

 

豊島ふくろう・みみずく資料館 基本情報

開館時間:9時から16時30分まで

 

休館日:平日(開館は土曜・日曜のみ)

 

入館料:無料

 

電話番号:03-3983-2872

 

住所:東京都豊島区南池袋3-18-12

(豊島区立南池袋小学校内)

各線「池袋駅」より徒歩8分

 

駐車場:なし

 

併設カフェ:なし

 

併設ショップ:なし

 

図書コーナー:なし

 

公式サイト:

http://www.city.toshima.lg.jp/132/bunka/kanko/006337/006351.html


地図: