植村直己、名前を聞いたことはあるだろうか。兵庫県出身の登山家である。といってもただの登山家ではない。単独犬ぞりで北極点到達やグリーンランド横断を成し遂げた冒険家でもある。
また登山家としての経歴も華々しい。1970年、日本人として初めてエベレスト登頂に成功。同年、マッキンリー登頂にも成功。世界初の5大陸最高峰登頂者となる。1984年にはマッキンリー冬季単独登頂を成功。しかし、下山時に消息不明となる。
没後、4人目の国民栄誉賞を受賞した。
以上のような経歴の植村直己。氏の精神「ウエムラ・スピリット」を知るミュージアムが板橋区に開設されている。
本日の訪問先
『植村冒険館』
1992年に開館した。植村直己の装備品や愛用品が展示されている。また、関連書籍も充実している。
なぜ板橋区に植村冒険館がつくられたのか多くの人は疑問を抱くだろう。
理由は、板橋区内に約15年間住んでいたからだ。氏がマッキンリーで消息を絶つまで。だからといって、住んでいた家の跡地とかではない。(故郷の豊岡市にもミュージアムがある)
館内について
1階と2階に分かれている。1階は図書コーナーと受付。2階は展示室(1室のみ)。といったことからも分かるように、建物自体はあまり大きくない。
2階への階段
展示室へ向かう階段には、植村直己の足跡が紹介されている。数々の写真とともに。
ただ通路は施設上仕方ないが、あまり広くない。それゆえ、じっくり見ていると通行の邪魔になるかもしれないのでご注意を!
展示室
植村直己は1984年2月1日、マッキンリー登山を開始。同年2月12日、山頂に立つ。(世界初の厳冬季単独登頂)翌13日の無線交信を最後に消息を絶つ。
このことから植村冒険館では、毎年2月にメモリアル展を開いている。(展示テーマは、年4回程入れ替え)
1984年に受賞した国民栄誉賞。右隣奥は愛用していたカメラ。
植村直己のパネル
マッキンリー山頂に残された日本国旗
他にも、植村直己の日記や、最終キャンプ地に残された品々が展示されていた。
図書コーナー
施設入口すぐ左側。植村直己の本だけでなく、山に関する本・漫画が大量に収蔵されている。
オリジナル商品販売コーナー
施設入口すぐ右側(受付横)
まとめ
植村冒険館に来るのは、実は2回目。以前訪れた時には、展示室で上映していた『植村直己の世界』見入ってしまった。70分間まるまる。
どのような状況でも、前向きに挑戦し続けていく「ウエムラ・スピリッツ」が伝わってくる。
それはただの冒険心ではない。たとえそれがどんな状況であっても、目標へ強い意志をもって取り組む人間の姿である。
そういった姿は、人々に感動を与え魅了する。また消息不明であることも相まって。「どこかでまだ生きているかも」「まだ山に登っているかも」と強く心に刻み込まれる。
植村冒険館 基本情報
開館時間:10時から18時まで
休館日:月曜(祝日の場合は開館し、翌日休館)、年末年始
入館料:無料
電話番号:03-5920-1131
住所:〒174-0046 東京都板橋区蓮根2-21-5
都営三田線「蓮根駅」より徒歩5分
駐車場:なし
併設カフェ:なし
併設ショップ:あり
図書コーナー:あり(1階)
サービス:エレベーターあり、多機能トイレあり(1階)
イベント:小中高生対象の自然塾や、アドベンチャー講座など定期的に開かれる
公式サイト:
http://www.uemura-museum-tokyo.jp/
地図: