恵比寿駅を降りると聞こえてくる『第三の男』。ヱビスビールでお馴染みのあの曲である。
20歳以上の人なら、1度は飲んだことがあるだろう。そのヱビスビールのミュージアムが、もちろん恵比寿にある。
本日の訪問先
『ヱビスビール記念館』
ヱビスビールの歴史を学べるギャラリー
ヱビスビールを味わえる有料のサロン
ヱビスビール関連グッズ販売のショップ
とヱビスビールづくしである
見学方法は、2種類
自由見学
開館中、いつでも自分のペースで館内を見てまわれる
費用:無料
エビスツアー
ヱビスのエキスパート「プランドコミュニケーター」が案内
最後には2種類のヱビスビールを味わえる
所要時間40分、1日15回程開催
空いていると当日申し込みもできるが、事前にHPから申し込む方が確実
費用:
大人(20歳以上) 500円(試飲付き)
中学生以上20歳未満 300円(ソフトドリンク付き)
小学生以下 無料(ソフトドリンク付き)
いざ、ヱビスビール記念館!
今回は、自由見学へ。
断じて無料だからではない!
実は・・・。
ツアーデスクが階段下にあり気づかなかった。
つまり、ツアーがあることを知らなかったのだ。(見学後、気づいたよ!)
話はそれたが、それでは 『ヱビスビール記念館』の全貌(ぜんぼう)をエントランスからご紹介!
エントランス
玄関入って、すぐ右手 。
恵比寿様
ヱビスビール缶オブジェ
上と下の写真を比べて、違う部分があることにお気づきだろうか。
後方にあるグラスのエビスビールを、よく見て欲しい。
実はホログラムになっており、見る角度によって色が変化する。
(右上が分かりやすい)
恵比寿様絨毯(じゅうたん)
階段を降りると、大きな恵比寿様
恵比寿様の絵、今はとてもマイルドで親しみやすいデザイン。
しかし、昔はつり目がちでなかなか厳かな感じ。
時代順に並べてデザイン比較すると、面白そう!
話はもどるが、絨毯の隅に看板がある。
「恵比寿様を踏まないで!」
クリーニングが大変だからではない。
御利益あるものだからだ!
ミュージアムショップ&テイスティングサロン
手前右:ミュージアムショップ
一番奥:テイスティングサロン
テイスティングサロンとは、街にあるヱビスバーとほとんど同じ。
コミュニケーションステージ
ヱビスツアーの最後に、ビールを試飲できる場所
ヱビスギャラリー
ヱビスビールの歴史が時系列順に展示
分かりやすい資料も盛り沢山。
以下、気になったものをピックアップ。
ビールは高嶺の花
1904年当時、ビール1本の値段は20銭、かけそば1杯が2銭。
つまり、ビール1本で、かけそば10杯食べれるほど高級品であった。
ビールが庶民の飲み物になるのは、1960年代高度経済成長期以降である。
恵比寿ビアホールのつまみ
日本で最初の恵比寿ビアホールは、1899年銀座に開店。
生ビールは、1杯10銭で提供。
ビールとつまみは、いつの時代でも切っても切れないもの
最初のおつまみ「大根スライス」
大根と醤油か・・・、実にヘルシーですね
人気のつまみ「エビの佃煮」「ふきの佃煮」
現代でも人気になりそうなメニューである
塩ゆでエンドウ豆
枝豆かと思いきや、エンドウ豆
冷やしおでん
クーラーのない時代、少しでも涼しくなるための夏季限定メニュー。
今でもあるのかな?
ブランド名が消されたラベル
1943年戦時色が濃くなるにしたがって、ヱビスビールをはじめ、全ビール会社のブランドラベルが廃止され「麦酒」と表記。
開運「金ヱビス」「銀ヱビス」
1972年に行われたキャンペーン。
ビール瓶についている王冠の裏に、一定の割合で「開運」の文字が印刷。当たった人には、金、銀の恵比寿様お守りがプレゼントされた。
ヱビスビールが登場した漫画
『美味しんぼ』
『新世紀エヴァンゲリオン』
『おせん』
オルゴール
右側のハンドルを回すと、ヱビスビールのCM曲『第三の男』が流れる。
まとめ
自由見学でも存分に楽しめる内容だが、ヱビスビールのことばかり入ってくるので、ビールを飲みたくなってくる。
見学後にテイスティングサロンで有料ビールを飲むことを考えれば、500円でビール2杯ついているヱビスツアーの方が良いかもしれない。
これまであまり知らなかったヱビスビールの歴史を、さらっとではあるが、十分に理解できる展示内容。
しかも、「つまみ」「消されたラベル」「キャンペーン」などなど雑学も身につく。
これでヱビスバーへ行けば、どや顔出来ること間違いなし!
この記事を上から下まで全部読めばガイドはいらない!
<雑学1>ローマ字表記「YEBISU」、なぜ「EBISU」ではない?
16世紀頃、日本人の発音「エ」を聞いて、外国人は「YE」と表記したため。その表記が現在まで続いている。
詳しい答えは、サッポロビールのサイトに載っている。
““ 江戸末期から明治に中期にかけて、日本語の外国人向けに表示に「エ」を「YE」と表示したものが多くありました。例えば江戸Yedo、円Yenなどです。これは日本語を初めてローマ字表記したポルトガルの宣教師が、当時(16世紀)の日本人の発音を聞いて「YE」と表記したものです。しかし、日本語の「エ」の発音は、その後変化して江戸時代の間に「E」となったのに、外国人は16世紀の日本語表示のまま、「E」とするところを「YE」と書いていました。このため、日本人は最初「エ」は「YE」と書くものだと思ったようです。ヱビスビールも明治23年に発売以来、商標のローマ字は「YEBISU」であり、今日でもこれを踏襲しています。 ””
( サッポロビール株式会社:Q. 恵比寿駅のローマ字はEBISUなのに、ヱビスビールはなぜ「YEBISU]と書くの?より引用)
余談だが、恵比寿駅はEBISU表記。
<雑学2>なぜ「エ」ではなく、「ヱ」?
恵比寿ビールの「恵」の草体(草書体)「ゑ」からである。
草書体とは、簡略化された漢字。
1890年の発売当初は、「恵比寿ビール」と表記されていた。
1943年、戦時色が濃くなり、ブランドラベルが廃止される。
1971年、恵比寿ビールが復活販売した際に、日本語表記がカタカナになる。
そのさいに、
「ゑ」をカタカナ表記にした 「ヱ」を採用したことにより、「ヱビスビール」となり、現在にいたる。
だから「エ」ではなく、「ヱ」
<雑学3>サッポロビール「ヱビス」の歴史
1887年、サッポロビールの前身「日本麦酒醸造会社」設立
→1890年、「恵比寿ビール」誕生
→1893年、「日本麦酒株式会社」に社名変更
→1895年、工場拡大のため、現・渋谷区恵比寿周辺の用地買収
→1899年、銀座に「恵比寿ビヤホール」を開設
→1901年、「恵比寿停車場」ができる
当初は、恵比寿ビールを各地へ運ぶための貨物専用駅であった
→1906年、恵比寿駅として旅客の取り扱い開始
同年、日本麦酒、札幌麦酒、大阪麦酒3社が合併、「大日本麦酒株式会社」創立
→1928年、はじめて「恵比寿」の名が地名につく
(恵比寿通1・2丁目)
→1943年、ビールが配給品となり、ビールの商標ラベルから名が消える
→1949年、大日本麦酒株式会社が分割され、「日本麦酒株式会社」設立
→1964年、「サッポロビール株式会社」に社名変更
→1971年、「ヱビスビール」が復活販売
→1988年、恵比寿工場閉鎖、生産拠点が千葉へ
→1994年、恵比寿工場跡地が、恵比寿ガーデンプレイスとしてオープン
→1994年、ヱビスのテレビCMが開始
→2005年、ヱビスのCM曲「第三の男」が、JR恵比寿駅の発車メロディーに採用
→2010年、ヱビスビール記念館オープン
→2012年、「ヱビスの日」制定
(1890年2月25日の生誕を記念し、毎年2月25日ヱビスの日となる)
<雑学4>「恵比寿」という名称について
恵比寿ビールの工場があるから、「恵比寿」と名付けられた。
<雑学3>を読むとよく分かるが、恵比寿ビールを運ぶために貨物用の駅がつくられ、その駅名が恵比寿である。
地名も、同様である。
デート向き ★★★★☆
子ども向き ★☆☆☆☆
外国人向き ★★★☆☆
(5段階評価、★が多い方が向き)
ヱビスビール記念館
開館時間:11時から19時まで
休館日:年末年始、毎週月曜(祝日の場合、翌日)
入館料:無料
(試飲を含む、有料のガイドツアーあり)
電話番号: 03-5423-7255
住所:東京都渋谷区恵比寿4-20-1
(恵比寿ガーデンプレイス内)
各線「恵比寿駅」より徒歩8分
併設カフェ:テイスティングサロンあり、ヱビスビールなど有料で飲むことができる
併設ショップ:書籍類以外にも、手ぬぐい・ビールグラスなどヱビスビール関連のグッズ多数
外国語対応:英語と韓国語の有料ツアーあり
英語→水曜日の12時40分から・15時40分から
韓国語→木曜日の12時40分から・15時40分から
(料金は、20歳以上1000円・20歳未満300円)
サービス:多機能トイレ(地下2階)、エレベータあり
公式サイト:http://www.sapporobeer.jp/yebisu/museum/
地図: