ある日、目白周辺を散策していたところ。
とある看板が目にとまった。
「吉村順三」、分からない…。案内を見る限り、建築系の人のようだ。
どうやら展示は、はじまったばかり。これも何かの縁かと思い、中へ。
本日の訪問先
『吉村順三記念ギャラリー』
吉村順三が仕事場としていた使っていた建物。その1階が、展示会場として開放されている。展示は、奇数月最初の土曜・日曜から4週計8回にわたって開かれる。(土・日のみ開館)
毎回テーマが変わり、吉村順三が持つ建築への思いや、設計に対する姿勢を伝えている。要するに、「どういった考えのもと、そのようになったのか」といった背景が分かるのだ。それは、ただ設計図を見ただけでは、知ることができない。
館内1階は、2つエリアに分かれている。展示が行われる「ギャラリー」と「応接室」。それらの紹介の前に、吉村順三の経歴をさらりとご説明。
吉村順三について
1908年、東京都生まれ。東京藝術大学で、建築を学ぶ。卒業後、アントニン・レーモンドに師事する。1941年、吉村順三設計事務所を開設した。1962年。東京藝術大学教授に就任する。1997年、死去。
代表的な作品は、「箱根ホテル小涌園」「軽井沢の山荘」「愛知県立芸術大学」「青山タワービル・タワーホール」「八ヶ岳高原音楽堂」「奈良国立博物館東新館」など
ギャラリー
中に入ると受付があり、記帳し入館料を支払う。(大人500円・学生300円)そして、受付横にある「ポストカード」と「次回の展覧会案内はがき」を受け取る。
ポカティコヒルの家模型
アメリカ・ニューヨーク市の郊外。ポカティコヒルの丘に建てられた住宅。
この模型、返してもらうのが大変だったらしい…。
(相手方は貰ったものと思っていたみたい)
このように 写真資料も置かれている
1948年ニューヨーク国際繊維展 日本館
当時の設計図は手書きであったため、吉村順三の直筆サインが残っている。
他にも「1956年・NYの日本航空事務所」「1958年・NYの高島屋」「1974-1976年・NYのホテル北野」など、設計図と写真が展示されている。
応接室
吉村順三の建築は、「そこに居て落ち着けて気持ちが良い」と言われる。この応接間も、同様である。スペースの無駄を省き、使う人に合わせている。
動く照明
「天井に器具をつけず、部屋の真ん中に明かりが欲しい」という希望により造られた照明。部屋の端っこを起点に、2mほどの長い棒が伸びていて、その先に照明器具が付いている。
この起点から棒を動かせば、照明器具が円を描いて動く、という仕組みになっている。
直筆の設計図
応接室には、吉村順三の設計図が、建物ごとにファイリングされている。それらを、ゆっくりと見ることができる。
まとめ
今回訪れた、「吉村順三記念ギャラリー」。ふらっと訪問するには、大変ハードルが高かった(笑)
恥ずかしながら、日本の近代建築巨匠吉村順三のことを、ほとんど知らなかったため。そして建築の知識がほとんどないため、図面を見てもいまいちピンとこなかった。
というのが、正直な感想。
建築系の学生や仕事に携わっている人なら、建物の設計図や模型があるので楽しめるだろう。それに中のスタッフさんも、設計に詳しい人ばかりなので、建築談義に花を開かせることができるはず。
とても親切な人で、「何か質問あれば、いつでも声をかけてください」と言われた。けれど、もし建築素人だと「質問か………」となる。だから、必ず下調べしてから入ったほうが良い!
最後に、一度入館料を支払うと、再度費用はかからない。(同じ展示を別日に訪れた場合)
吉村順三を知りたい人は、何度でもどうぞ!
デート向き ★★☆☆☆
子ども向き ★☆☆☆☆
外国人向き ★☆☆☆☆
(5段階評価、★が多い方が向き)
吉村順三記念ギャラリー 基本情報
開館時間:13時から17時まで
休館日:平日、偶数月
※開館は、奇数月の土曜・日曜のみ
入館料:一般500円 学生300円(同展会期中は、何度でも入館可)
電話番号:03-5342-5655
住所:東京都豊島区目白3-8-6
JR山手線「目白駅」より徒歩6分
駐車場:あり
併設カフェ:なし
併設ショップ:あり
図書コーナー:あり
公式サイト:
地図: