シリア首都ダマスカス編・Part2・目から鱗が落ちる聖アナニア教会

中東にあるシリアは、

イスラム教徒だけかと思われがちだが、

人口の1割がキリスト教徒である。

そのため、モスクだけでなく、教会もある。

聖アナニア教会

聖アナニア教会

シリアでもっとも有名な教会、

といっても過言ではない。

「パウロの回心」の話に出てくる、

アナニアの家、のちの教会。

キリスト教になじみがないと、

イメージしづらいかも知れないが、

「目から鱗が落ちる」

という慣用句は知っているはず。

その言葉と深い関係がある場所。

聖書の『使徒言行録』第9章に、

詳しく書かれている。

聖アナニア教会

キリスト教徒を迫害していた、

サウロ(後のパウロ)は、

ダマスカスへ向かう途中、

天からの光に照らされ倒れる。

そしてイエスの声を聞き、

起き上がると目が見えなくなっていた。

もう一人の登場人物アナニア、

イエスの弟子で、

同様にイエスの声を聞く。

目が見えなくなったサウロを迎えに行き、

彼の上に手を置き、

イエスからの言葉を掛けた。

するとサウロの目から鱗のようなものが落ち、

元通り見えるようになった。

イエスの奇跡に感動したサウロは、

回心し、布教者となった。

これが、「パウロの回心」。

そして、「目から鱗が落ちる」の語源。

聖アナニア教会

地下礼拝堂

このように意味深い場所のため、

多くの人が訪れる。

 

最後に言葉の意味を少々、

「回心」:

神の道へ心を向けるという意味を含んだ、

心の改め、キリスト教用語

「目から鱗が落ちる」:

何かをきっかけに、誤りに気付き、

迷いから覚める

英語だと、「The scales fall from one's eyes.」