はらはらじゃーにー

8ra8ra3のJOURNEY

建物も貴重な「鈴木信太郎記念館」豊島区東池袋

 

鈴木信太郎、初めて名を聞く人が多いのではないだろうか。フランスの文学を研究していた人物である。

 

フランス文学といえば、『星の王子さま』のサンテグジュペリ、『三銃士』のアレクサンドル・デュマ、『レ・ミゼラブル』のヴィクトル・ユーゴーなど、日本でも親しまれている。

 

彼が研究していたのは、フランス象徴派や中世の詩である。

 

そして晩年過ごした家が、豊島区にある。

 

本日の訪問先

鈴木信太郎記念館

『鈴木信太郎記念館』

 

自宅が記念館として、2018年3月28日に公開された。知らないと素通りしてしまいそうな入口。階段の上に、建物がある。

 

階段をあがると、鉄柵が目に付く。

 

鈴木信太郎記念館

鈴木信太郎の長男・成文が、自らデザインし、1956年頃に設置したもの。

 

 

鈴木信太郎記念館

鈴木信太郎記念館

玄関

 

鈴木信太郎記念館

「書斎棟」「茶の間・ホール棟」「座敷棟」

と3つの棟からできた建物

 

 

茶の間・ホール棟

鈴木信太郎記念館

玄関から入ると、まずホール棟になる。1949年に建設された棟である(空襲により焼失した母屋の跡地)。

 

スリッパに履き替え、館内へ。

 

右手には、パネルと男女トイレがある。さらに進むと、書斎棟になる。

 

左手には、茶の間があり、事務所と図書コーナーがある。さらに進むと、座敷棟になる。

 

 

鈴木信太郎のパネル

鈴木信太郎記念館

玄関右手には、ほぼ等身大のパネルが!

 

1957年3月28日、東京大学の卒業式に出席した時のもの。(鈴木信太郎・61歳)

 

「鈴木信太郎」について、略歴をご紹介。1895年に東京都で生まれる。1916年、東京帝国大学文学部に入学、フランス文学専攻。フランス文学研究の草分け的人物。後に東京大学文学部教授として、仏文科を盛り上げ、後進を育成した。1970年、死去。

 

 

男女トイレ

鈴木信太郎記念館

右側:男子トイレ、昔から便所であった。

左側:女子トイレ、もとは浴室であった。

 

 

書斎棟

1928年に、書斎兼書庫として建設した。

 

フランス留学中に船便で送った1000冊の本が船内火事で燃えた。(実父の死より悲しんだといわれている)その経験から、蔵書が燃えないよう、耐火構造の鉄筋コンクリート造りにする。当時の個人宅では珍しかった。

 

それゆえ、空襲でも書斎棟の1階は無事であった。(2階は焼失した)

 

空襲後、火は消えているが、火事によって棟内部は暑くなっている。もし、開けると酸素が供給され、自然発火するかもしれないので、1週間冷やした。

 

その後、扉を開けようとしたが、外側が熱で膨らんだため開かず。地面を掘って掘り進め、隙間から廊下に出て、中から開放した。

 

内部の蔵書に被害が無かったことを祝い、本の後ろに隠していたウイスキーを飲んだといわれている。

 

 

北側廊下

鈴木信太郎記念館

鈴木信太郎の息子インタビューや、建物の解説など見ることができる視聴スペースになっている。

 

 

書斎

鈴木信太郎記念館

鈴木信太郎が実際に使用していた書斎

 

天井まで蔵書はあるが、主な蔵書は息子が務めていた獨協大学図書館に寄贈された。そのため、ほとんどが複製である。

 

鈴木信太郎記念館

暖炉の上にある「鷲図」は、洋画家の須田国太郎から贈られた作品。

 

 

ステンドグラス

書斎南側の窓の欄間(らんま)に、5つの美しいステンドグラスがある。

 

鰐 LE MONDE

 

鳩 EST FAIT

鈴木信太郎記念館

 

鹿 POUR ABOUTIR

鈴木信太郎記念館

 

獅子 A UU BEAU

鈴木信太郎記念館

 

犬 LIVRE S.M.

鈴木信太郎記念館

鈴木信太郎、自らデザインしたもの。

 

全ての文字を繋げると「LE  MONDE  EST  FAIT  POUR  ABOUTIR  A  UN  BEAU  LIVRE」

 

展示資料によると、「世界は一冊の美しい書物に近づくべくできている」というステファヌ・マラルメの有名な詩とのこと。

 

ステファヌ・マラルメは、フランス象徴派の代表的な詩人。(鈴木信太郎の研究対象)

 

書斎棟外観

鈴木信太郎記念館

この窓の欄間部分に、ステンドグラスが取り付けられている。

 

2階部分は、残念ながら非公開。1931年に増築時は、天井はなく鉄骨むき出しの大部屋だった。空襲で焼失した後、再度増築した時には、天井も張られ3室と廊下に仕切られた。

 

 

座敷棟

鈴木信太郎記念館

鈴木家は、古くから続く地主の家系である。現・埼玉県春日部市に広大な土地と屋敷があり、その離れの一部を移築したものが座敷棟になっている(1949年に、移された)

 

 

縁側

鈴木信太郎記念館

 

縁側からの眺め

鈴木信太郎記念館

 

縁側の先に便所

鈴木信太郎記念館

こちらの便所は、展示資料のため使用NG

 

 

座敷棟外観

鈴木信太郎記念館

伝統的な和風建築

 

 

まとめ

こちらの記念館は、どちらかといえば、鈴木信太郎のフランス文学界での功績を学ぶところではないだろう。息子さんが語る彼の人柄と、過ごした建物へのこだわりを感じるために訪れたい場所になっている。

 

日本建築のシンプルな機能美に、フランスの香り漂う装飾がさりげなく施されている。そのバランスがちょうどよく、「ここで暮らしたい」と思う空間だった。

 

この建物自体は、豊島区重要文化財に指定されている。しかし、自由に写真を撮ったり歩いて見て回れるようになっている。(資料の接写と茶の間にある図書コーナーは、写真撮影NG)

 

貴重な建物で、自分だけの素敵な場所をみつける。そして写真に収めてみるといった楽しみ方もある。

 

 

 

豊島区立鈴木信太郎記念館 基本情報

開館時間:9時から16時30分まで

 

休館日:月曜(祝日の場合、翌日も休館)、第3日曜、祝日、年末年始

 

入館料:無料

 

電話番号:03-5950-1737

 

住所:東京都豊島区東池袋5-52-3

丸ノ内線「新大塚駅」より徒歩3分

各線「大塚駅」より徒歩8分

 

駐車場:なし

 

併設カフェ:なし

 

図書コーナー:あり

 

サービス:階段はあるが、バリアフリー対応なし

 

公式サイト:

http://www.city.toshima.lg.jp/129/bunka/bunka/shiryokan/suzuki/suzukioverview.html

 

地図: