桜の名所にある「北区飛鳥山博物館」へ、お花見はいつの時代も

 

「飛鳥山公園」、王子駅のそばにあり、東京でも屈指の桜の名所。だが関東圏以外の人には、あまり馴染みがないかもしれない。

 

なぜ桜が多いのか。江戸時代に第8代将軍である徳川吉宗が整備し数千本の桜が植えられたからだと言われている。

 

明治に入ると、日本最初の公園に指定された。他にも上野・芝・深川・浅草の合計5ヶ所が選ばれた。

 

そんな飛鳥山だけでなく北区全般についての歴史を知る博物館(郷土資料館)が公園内に開設されている。

 

本日の訪問先

北区飛鳥山博物館

『北区飛鳥山博物館』

 

山のような地形に建てられたからか、中に入ると2階になる。(実際は、山ではなく台地) 

 

北区の総合施設になっている。ゆえに博物館だけではなく、学習室・講堂・アートギャラリーなど併設されている。

 

博物館は、2階と1階に分かれている。2階は企画展示、1階は常設展示。北区の歴史・文化・自然を紹介。2階だけなら無料だが、1階も見るなら入館料がかかる。

 

北区飛鳥山博物館

階段をおり、有料エリアの1階へ。

 

 

展示について

北区飛鳥山博物館

古代から現代まで順に展示されている。

 

解説は詳しいところまで書いているので、全てを理解するには結構な時間が必要である。

 

奈良時代(8世紀)、北区は武蔵国の豊島郡に属していたこと。豊島郡内で豊島氏が勢力を伸ばすが、太田道灌によって滅亡したことなど。中高の日本史ではあまり習わないところまで説明されている。

 

北区の歴史を知りたい人には、大変勉強になり面白い内容だと思う。しかし、あまり興味がない人には、非常に難しい内容となっている。

 

そんな人には、桜の名所である飛鳥山についての展示がオススメだ!

 

北区飛鳥山博物館
館内入ってすぐ、壁には美しい桜が映し出されている。地面にも同様。博物館のマスコットキャラでもあるキツネがいた。本当に動いているかのように。

 

やはり桜推しである!

 

桜といえば、「お花見」

 

お花見といえば、「お弁当」 

 

飛鳥山博物館

というわけで、江戸時代のお花見弁当が紹介されている。1801年に出版された『料理早指南』より再現されたもの。大変豪勢なお弁当だ。庶民のものでは、もちろんない。

 

飛鳥山博物館

何故このように贅沢なお弁当が作られるようになったのか。理由は、花見客同士でお弁当の立派さを競うようになったからだ。どんどん華やかになっていったという。いつの世も見栄の張り合いはあるもの。

 

飛鳥山博物館

中身は、焼飯・おひたし・かまぼこ・むしがれい・干だいこん・わかめ・ひらめ刺身・さよりほそづくり・わかめ・はや竹の子うま煮・長ひじき・わらび・うぐいす餅・おぼろまんじゅう・せんべい・長いもなど色とりどり。

 

現代から見ても美味しそうなお弁当。それに珍しそうなメニューも見当たらない。ということは、江戸時代後期には今と変わらない和食を食べていたことが分かる。

 

そして飛鳥山周辺のことを解説した映像スペースへ。

 

飛鳥山博物館

金輪寺の御座所を再現している。金輪寺は、現在の北区役所一帯にかつてあった寺。日光社参や鷹狩りの際には、徳川将軍家が休憩する場所でもあった。

 

飛鳥山博物館

「この玉子焼き、何?」と100人中100人が思ったはず。王子名物「釜焼き玉子」を模した映像選択ボタンである。名物と書かれているが、初耳であった(笑)

 

調べたところ、『王子扇屋』といる玉子焼き屋が王子駅のそばにあるらしい。江戸時代から続く老舗のようだ。

 

 

飛鳥山博物館

玉子焼きボタンを押すと、カーテンが開き映像が始まる。

 

映像は4種類ある。「名所の楽しみ」「鷹場の村のくらし」「日本のリッチモンド」など。

 

これまでの歴史や文化以外に、自然に関する展示もある。

 

北区飛鳥山博物館

荒川の河川敷や水辺の生き物を展示している。ただの模型かと思いきや、驚くなかれジオラマになっている。なので照明が、太陽の動きのように朝昼晩と変化する。さらにそれに合わせて生き物が動く仕掛けになっている。

 

けれど、全てのジオラマが動くわけではなく、一部だけ。だから、よく見ていないと気づかない(笑)

 

飛鳥山博物館

地中にモグラがいた。こういったところどころに凝った演出が多い。

 

 

まとめ

飛鳥山

 

だいぶ桜は散ってしまったが、桜の名所である飛鳥山。それは江戸時代から変わらない。同じく名所であった上野とは違い、酒や歌を楽しめる無礼講であった。といったことから、一段と多くの人でにぎわったという。

 

今回訪れた飛鳥山博物館は、そのような歴史を知れ、面白い演出が随所にみられるところであった。展示内容だけでなく、細かいがクスッと笑えるようなユーモアに気付く楽しみ方もできる。

 

それから人によっては閲覧注意になるかもしれないので載せなかったものがある。貝塚から出土した縄文人骨(全身)。当初、複製かと思いきや。解説を読むと、複製の表記がなかったので、たぶん本物だろう。

 

苦手な方は、ご注意を!

 

 

デート向き ★★☆☆☆

子ども向き ★★☆☆☆

外国人向き ★★★☆☆

(5段階評価、★が多い方が向き)

 

 

  

北区飛鳥山博物館 基本情報

開館時間:10時から18時まで

 

休館日:月曜(祝日の場合、開館し直後の平日に休館)、年末年始

 

入館料:大人300円 小人100円

(飛鳥山博物館・紙の博物館・渋沢史料館の3館共通券あり、大人720円・小人240円) 

 

電話番号:03-3811-4025

 

住所:東京都北区王子1-1-3

JR京浜東北線「王子駅」(南口)より徒歩5分

地下鉄南北線「西ヶ原駅」より徒歩7分

 

駐車場:専用駐車場はなし、飛鳥山公園隣接有料駐車場はあり

 

併設カフェ:あり(3階)

 

図書コーナー:あり(3階)

 

写真撮影:展示室内は申請をするとOK

(氏名・連絡先・使用目的等記入し、その場で許可)

 

外国語対応:解説パネルは日本語のみ、無料の音声ガイドあり(日本語・英語・中国語・韓国語)

 

サービス:多機能トイレ(各階)、車イス対応エレベーター、貸出用車イス、無料のコインロッカー(2,3階)、赤ちゃん休憩室あり(2階)

  

イベント:無料のものから有料のものまで、さまざまな講座や講演会など開催

 

公式サイト:https://www.city.kita.tokyo.jp/hakubutsukan/

 

地図: